ウイルスのタイプと量の確認。慢性肝炎の原因になる肝炎ウイルスには、様々なタイプがあります。大きく分けるとB型とC型に分かれますが、C型には現在、4つのサブタイプが発見されています。

慢性肝炎の治療には、インターフェロンなどの薬が使われますが、同じ薬でも、肝炎ウイルスのタイプによって効果が異なります。また体内のウイルスの量によって、薬の適量も変わってきます。そのため、慢性肝炎の診療では、まず病原体のウイルスのタイプと量を見定める必要があります。B型は、比較的シンプルなウイルス検査で確認できます。

しかしC型は複数のサブタイプがあり、検査も複雑な条件を伴います。そこでC型は、まずウイルスの抗体の検査をして、抗体を見つけたら、ウイルス本体の検査をします。そして、ウイルスが認められた場合は、サブタイプの鑑定検査と、それ以降の診療を専門医に依頼するのが普通です。抗体は、体の免疫システムが作り出すウイルスに対抗する物質で、ウイルスの種類ごとに、それぞれ固有のものが作られます。そのためある型のウイルスに対応する抗体が検出されれば、ウイルス本体を見つけなくても、その型のウイルスに感染しているか、あるいは感染したことがあるかの、どちらかだと判断できます。