腎臓は、血液中の老廃物を濾過し、尿を作って排出する職器で、体液の量と成分を適切な状態に保つ役割を果たしています。血液は腎臓の糸球体という組織で濾過されますが、その糸球体が炎症を起こし、血液の濾過機能が低下してしまう病気が、系球体腎炎です。
腎炎には、急性と慢性があります。急性糸球体腎炎の主な原因は、溶連菌などの細菌感染です。感染すると、最初は発熱やのどの痛みなどが現れ、いったん治まった後、だいたい10日後ぐらいにタンパク尿、高血圧、むくみなどの症状が急に出て来ます。幼児に多く、成長とともにかかりにくくなる傾向があります。慢性糸球体腎炎は、急性糸球体腎炎が完治せず、タンパク尿や高血圧が1年以上続くもの、あるいは急性糸球体腎炎にかかったかどうかはっきりしないが、あるときそうした症状が出てきて長期間治まらないものなどです。大人がかかりやすい傾向があります。
この腎炎の特徴は、自覚症状がない場合が多いことです。しかし放置しておくと、腎臓の機能が低下して腎不全になり、最悪の場合、人工透析や腎移植をしないと生きられない状態になってしまいます。健康診断を怠らず、早期究見、早期治療をすることが大事。