風邪の症状のうち、全身に及ぶ症状は発熱やだるさがある場合には、次のような診察が必要です。発熱タイプを確かめる問診と双合診で、双合診は発熱とだるさがあるが鼻やのどには目立つ症状なく咳もタンもない出ない場合には腎孟腎炎の疑いがあります。
この場合は、双合診という触診が必要になります。双合診は、医者が、患者の腹と背に左右の手のひらを当て、挟むように押す診察法で、腎盂腎炎ならば腎臓が痛みます。痛みが確認されたら、尿検査などで確定診断をする必要が出てきます。
必要なのは、普通の風邪なのかインフルエンザかを早めに診断する。普通の風邪は、暧かい時期より寒い時期に多い傾向はありますが、春風邪や夏風邪をひく人も居て、年間の一定期間だけを流行期と限定することはできません。しかしインフルエンザには、明確な流行シーズンがあります。毎年11月、12月から翌年の2月ごろまでの3~4力月間がインフルエンザシーズンです。
普通の風邪は、対症療法を行えば、後は概ね患者が本来持っている抵抗力がウイルスを抑え回復していきます。対処療法は、病原体を退治するのではなく症状を軽減する治療法です。一般的な風邪薬の処方などが、この対処療法に当たります。
しかしインフルエンザは、対処療法だけでは治りにくいことがあり、その場合には、病原体のインフルエンザウイルスを直接退治する抗インフルエンザ薬(アマンタジン、ザナミビルなど)を使う必要があります。しかも抗インフルエンザ薬は、発病の早い時期に使ってこそ、充分な効果が期待できます。そのため、特にインフルエンザシーズンの風邪かインフルエンザかを診断する必要があります。
インフルエンザは、普通の風邪に比べ命に関わる高齢者の肺炎や、深刻な影響が残りがちな小児の脳炎、脳症などを起こしやすい傾向があります。そうした病気を防ぐためにも、早めの診断と治療が大事です。
普通の風邪とインフルエンザは、症状が似てますが、症状の現れ方や程度に次ぎのような差異があります。その差を見分けることが、診断の第一の要点です。普通の風都は、インフルエンザより症状の現れ方がゆるやかで、鼻の症状以外は軽症で済むことがほとんどです。具体的には、まず鼻やのどに異常感が生まれ、くしゃみや鼻汁が出始めます。鼻汁は、初めのうち水バナですが、1~2日たつと粘液状になり、鼻詰まりが起こってきます。のどの痛みや咳が出るようになることもしばしばありますが、それよりも、鼻の症状が顕著なのが一般的です。
また発熱や頭痛を併発することもありますが、発熱はせいぜい摂氏37度台で、頭痛も重症になることはまれです。インフルエンザは普通の風邪より症状の現れ方が急激で、症状の程度も重症になりがちなことが特徴です。インフルエンザにかかると、だいたいは急激に発熱し、同時に頭痛や節々の痛み(関節痛)、食欲不振、腹痛、下痢、だるさなど、全身のあちこちに症状が現れます。そうした症状と同時か、あるいは少し遅れて、鼻汁、のどの痛み、咳など、普適の風邪と同じ症状が現れることも少なくありません。発熱の程度は発病の1、2日後にピークに達し、摂氏39度前後の高熱にもなります。発熱のピークを過ぎると熱は下がり始めますが、いったん下がってからまた上がる場合もあります。発熱のピークが過ぎ、発病の3、4日後から熱が下がり始めれば、ほかの症状も大概軽くなっていき、1週間位で治るのが普通です。