血栓症やガンの診断に不可欠で、血液凝固第1因子であるフィブリノーゲンはフィブリンに変化して血液を固める役割を果たした後、プラスミンという酵素の働きで切断され、再び血液中に溶かし込まれます。フィブリン分解産物(FDP)とは、この時に分解されてできる老廃物のことです。血液中のFDP量の測定は、.心筋梗塞を始めとする血栓症やガンの診断と治療に欠かせません。血栓症では、血栓ができる際にフィブリンが増えるため、これが分解されてできるFDPも血液中に増え、数値が上昇します。そこで、血液中のFDPを測れば、血栓症の重症度を診断する目安になるわけです。
DIC(播種性血管内凝固症候群)という状態では、全身の血管内に細かい血栓ができ、血液凝固因子が消費されて足りなくなり、そのため全身の臓器に出血が起こり、死に至ります。ガンの末期にもこの状態が起こるため、FDPが著しく上昇します。またDICや妊娠中毒症や膀胱腫瘍などでは、血液中よりもむしろ尿中のFDPが増えるため、これらの病気の疑いがある時は、尿中のFDPも測定されます。
- 数値が高い場合 DIC(播種性血管内凝固症候群)・心筋梗塞・ガンなど
- 正常値4μg/ml以下(LPIA)