血圧や血糖など体内の環境を調整するホルモンは、内分泌腺と呼ばれる器官で作られ、必要に応じて血液中に分泌されて、全身の様々な機能を調節している物質です。ホルモンの語源は「刺激するもの」という意味のギリシア語で、その名の通り臓器や組織を刺激し、活性化する働きをしています。例えば血圧、血糖、エネルギー代謝、生殖機能などがホルモンの影響で変動します。

体内の環境のコントロールには神経系も重要な働きをしていますが、ホルモンの中にはこの神経系の働きを調整するものまであります。このため、ホルモンの分泌に異常が起こると体内の環境のバランスが崩れ、様々な病気が起こって来ます。

ホルモンの分泌の異常が起こる原因としては、内分泌腺が肥大してホルモンが過剰に分泌される場合、また腫瘍や炎症、放射線照射などによって内分泌腺が破壊され、ホルモンが不足する場合などが考えられます。ホルモンの異常とは、つまり内分泌腺の異常です。

内分泌腺の病気の診断には血液中や尿中のホルモン量を直接測定するほか、ブドウ糖、ナトリウム、力リウムなどホルモンによって増減する物質の測定も重要な目安になります。