5mm以下の小さなガンも発見できます。

胃ガンは長らく日本人のガン第1位を占めていました。それだけに、我が国では胃ガンを早期発見するための検査技術が堯達し、現在では胃ガン全体の半分を早期ガンが占め、死亡率の減少が続いています。その2本の柱となっているのが、X線検査と内視鏡検査です。胃のX線検査では、二重造影法が用いられます。これはX線を遮断するバリウムと、胃の中で多量のガスを発生して胃を膨らませる発泡剤とを患者に飲んでもらい、これらの作り出すコントラストによって胃の粘膜のごく微細な変化まで捕らえようとするものです。

一方、内視鏡検査では胃ファイバースコープを使って医師が肉眼で胃の内部を観察します。グラスファイバーというガラス繊維の束が光を曲げる性質を利用したもので、ファイバースコープの先に照明をつけて胃の中に入れると、管が途中で曲がっても、胃の粘膜の状態を肉眼で見ることができます。また、病変が見つかった場合は、組織の一部をつまみとってきて、顕微鏡で詳しく調べることも可能です。更には、先端に力メラレンズを装着したものも開発され、現在では胃カメラといえば、この装置をさすようになっています。

これらの検査技術を駆使することにより、直径5mm以下の極初期のガンも発見されます。