細胞内にある細胞核は最も密度の高い『泡』でその内部のDNAがタンパク質の設計図の書き込まれている1.8mの二重螺旋細長が紐状のテープの遺伝子と染色体ゲノムと言うことになります。

先に細胞内小器官オルガネラ等を色々書き.ましたが、その中で最も重要な4つの構造物、染色体・RNA・リボソーム・タンパク質は、そのどれもが核酸かタンパク質、あるいは両者の組合せによって構成されています。このDNAの中に細胞を細胞として成り立たせている『命令』や『情報』が含まれています。

染色体という構造物は、核内でDNAとタンパク質が組み合わされています。どの染色体内のDNAにも、『遺伝子』というはっきりとした境界を持った領域が何百と含まれていて、遺伝子とは細長いDNA分子の中の特殊な領域、一つの線状の広がりで、1個の遺伝子は、生命現象を維持するのに必要な化学物質を産み出すことのできる特定のタンパク質を造り出す設計図とも言えます。

はじめにそれぞれの遺伝子のコピーが造られ、コピーといってもまったく同一の複写物ではない、それはそのコピーがDNAでできていないからです。その代わりにRNAと呼ばれる、DNAによく似た化学物質で造られています。DNAもRNAも核酸という同じ仲間の化学物質に属し、遺伝子のDNAが二重螺旋分子ニ本の鎖であるのに対して、コピーであるRNAの分子は一本鎖になっているからです。(RNAは複写の元になった二重螺旋のDNAの一方の鎖だけからコピーされる)遺伝子をコピーしたこのRNAは、メッセンジャーRNA (mRNA/伝令RNA)と呼ばれ、核から外に出て、サイトゾル内に入ります。そしてリボソームと呼ばれるタンパク質とRNAの複合体に結合して、それぞれのmRNAが1つのタンパク質分子を産生します。リボソームは、結合したmRNAに沿って移動します。その様子は、通した糸をすべるビーズ玉のように移動しながら、リボソームは『アミノ酸』と呼ばれる単純な化学物質を直線的に結合し、大きなタンパク質分子を造ります。タンパク質は、それを構成するアミノ酸の種類と並び方が違えば、別の化学物質となります。

別の言い方をしますと、細胞の核内に在る遺伝子を土台として、その遺伝子に固有のタンパク質がサイトゾル内で造られるのであります。遺伝子の重要性は、タンパク質(それに少数の重要なRNA)を産生できる点に在ります。このことは、DNAが重要なのは、RNAを仲立ちにしてタンパク質を産生するからだと言えます。または、DNAとRNAはどちらも核酸なので、核酸が重要なのはタンパク質を産生するからだとも言い換えられます。

以上が、生物が生きて行くために本質的な重要なメ力ニズムですが、生存が可能なのは、DNAが異質の分子であるタンパク質の産生を指揮しているからです。とすれば、生命を力あふれる生き生きとしたものにするタンパク質は、分子の労働者に例える事ができます。事実、全ての細胞の構築と維持を担っています。