心と体や病気との具棒的な関係を調べてみましょう。

循環器系(心血管系)は、情動ストレスの影響を最も受ける器官の代表と言えます。喜びによって「心は躍ったり、弾んだり」、悲しみによって「心は重く、暗くなる」等と、昔から言われています。これは情動ストレスによって、交感神経系を介してカテコールアミン(アドレナリンやノルアドレナリンなど)という神経伝達’物質が分泌されるために起こることが明らかになっています。

 

高血圧の場合には、カテコールアミンのうち主にノルアドレナリンが影響していると考えられています。典型的な高血圧患者の性格特徴については、一般的には「発揚型」と呼ばれています。積極的で責任感が強く、生活力に富み、人生に肯定的であり、言動は快活で、疲れを知らず活動的であり、有能なタイプで、低血圧者に多い自信が欠如し、落胆的で気分の沈みやすいタイプとは対照的です。このような発揚型の人は、欲求不満や葛藤が多いにも関わらず、怒りや攻撃心が抑圧されているために、蓄積されたストレスとして高血圧が発症して来ると考えられています。

 

また家庭環境と血圧についての研究も報告されています。父親が高血圧である家庭と正常血圧である家庭を比較したところ、高血圧の父親の家庭では、否定的な態度(そっぽを向く・反感を持って見つめる・無反応・話をそらす・しかめ面をする等)や否定的な言葉(不平・批判・責任の否定・弁解・黙らせる・侮辱等)が明らかに多く見られたという結果が出ています。また子供の血圧が、親の否定的な態度や言葉が多ければ多いほど上昇するという結果も出ています。