自己免疫疾患とは、白分の身体の細胞に対して免疫反応が起こり、自分の身体を自分の免疫系が攻撃してしまう病気の総称で、難病といわれるものが多いようです。代表的なものに、次の慢性関節リウマチがあります。

 

 

慢性関節リウマチとは

心理的要素が強く影響します。

慢性関節リウマチは、心身医学の祖といわれるアレキサンダーらによって、七つの代表的な心身症の一つに数えられたことから、心との関係がいろいろ研究されて来た病気の一つです。精神神経免疫学の祖ともいうべきジョージ・ソロモンも、この慢性関節リウマチがどうしてある特定の人達に起こりやすいのかを研究し始めたことから、新しい学問領域の扉を開くことになったのです。

 

この病気は、免疫の異常によって関節を包む骨膜という膜に炎症が起こるもので、原因としては感染説、遺伝説などが言われていますが、免疫系が異常をきたし、自分の関節を自分の免疫機構が攻撃してしまうという現象が起こってくることから「自己免疫疾患」の一つに分類されています。

 

以前は「リウマチ性格」という特有の性格があるとされていましたが、最近ではそれほど明確なものは無いと言われています。今までに報告されている心理的特徴は、抑うつ的で神経症的な傾向が強い、外交的・社交的なように見えるが感情を抑圧する傾向が強い、衝動を統制できにくい等です。

 

慢性関節リウマチの発症に心理的な影響がどれだけ関係しているかは、はっきりと分かっていませんが、憎悪したり改善したりする時には、心理的な要素が強く影響していると言われています。多くの人が将来障害者になってしまうのではないかという不安や恐怖を持っているため、この不安や恐怖をどのように趣理するかによって経過がかなり違ってきます。