肝臓は体内で一番大きな臓器で、「体の化学工場」と言われるように、きわめて多くの働きをしています。重要なものを挙げれば、
- 体を構成するタンパク質をアミノ酸から合成する。
- グリコーゲン(ブドウ糖の貯蔵形)やビタミンなどを蓄え、必要に応じて血液中に放出する。
- アンモニアやアルコールなど体にとって有害な物質を分解、解毒する。
- 脂肪の消化吸収を助ける胆汁を作る。
などである。
肝臓は俗に「沈黙の臓器」とも呼ばれ、主人が少々の無理をしても、文句もこぼさずに黙々と働いてくれます。このため、何ら自覚症状のないまま、気づいたときには肝硬変などの重篤な病気が進行しているケースもまれではありません。
肝臓で作られた胆汁は胆嚢へ送られて濃縮され、この濃縮胆汁が胆のうの収縮によって胆管から十二指腸へ排出され、脂肪の消化吸収を助けます。胆のうの病気でよく知られているものに胆石がありますが、この胆石も多くは痛みを伴わない「沈黙の石」であると言われます。肝臓も胆のうも、定期的な検査が欠かせない臓器です。