ウイルス感染を血液検査でチェックする。肝炎を起こすウイルスは、日本ではA型(HAV)、B型(HBV)、C型(HCV)、がほとんどを占めます。(D,E,G,TT型もある)。このうちHBVとHCVは慢性肝炎から肝硬変、肝ガンを引き起こすことがあるので、早期発見、治療し、経過を観察することが重要です。ウイルスのような異物となるタンパク質を抗原と呼びますが、肝炎ウイルスに感染すると、抗原やそれに対して体が作る抗体、ウイルスの遺伝子(DNA、RNA)などが血液中に増え、感染を知る指標となるので、これらを総称して肝炎ウイルスマーカーと呼んでいます。
ウイルスは表面とコア(芯)の部分に分かれ、B型肝炎ウイルスでは表面抗原がHBs抗原と呼ばれます。またこのウイルスが肝臓で増殖する際、副産物として血液中に増えるタンパク質としてHBe抗原が知られています。C型肝炎ウイルスの本体は不明ですが、それに対するHCV抗体(第二世代抗体)が陽性であれば、感染が分かります。このマーカーは感度が高く、過去に感染して現在は治癒している場合も陽性を示すことがあるため、HCVコア抗体、HCV-RNAなどを同時に調べます。HCVコア抗体の抗体価が高いかHCV-RNAが陽性であれば、現在血中にウイルスが居ることが分かります。