急性肝炎の初期や肝ガンで高い値になる。正常値は230~460IU/L。
LDHは、体を構成する細胞が糖質をエネルギーに換えるとき働く酵素です。肝臓、腎臓、心筋、骨格筋などの組織や、赤血球などに多く含まれています。このためこれらの臓器の組織破壤が起こると、障害された細胞からLDHが流出し、血液中に増加してきます。例えば肝障害では、急性肝炎の初期や肝ガン(特に転移性の肝ガン)のとき、著しい上昇がみられます。しかし、LDHは心筋梗塞や悪性貧血、また肺、膵臓、大腸のなどのガンでも高値になるので、この数字だけで肝臓が悪いと決めつけることはできません。そこでより正確な診断を下すためにアイソザイム(同位酵素)を調べます。酵素には働きは同じでもタイプのやや異なるものがあり、これをアイソザイムと呼んでいます。LDHには5つのアイソザイムがあり、臓器によって、どのアイソザイムを多ぐ含んでいるかが異なります。そこでLDHの中で、どのアイソザイムが増えているのかを調べれば、障害のある臓器を知ることができるわけです。
数値が高い場合は、急性肝炎、肝ガン、胆ガン、膵臓ガン、大腸ガン、肺ガン、心筋梗塞、悪性貧血、白血病など。