自覚症状の少ないインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)。糖尿病は、膵臓で分泌されるインスリンというホルモンが不足する病気です。膵臓には、ランゲルハンス島という小さな粒が分布しています。インスリンは、このランゲルハンス島にあるB細胞から分泌され、細胞が血液中のブドウ糖を取り入れ、エネルギーに変えるのを助ける働きをしています。このため、インスリンが不足すると、せっかく吸収されたプドウ糖がエネルギーとして利用されず、血液中をグルグル循環するばかりです。つまり高血糖の状態が続きます。このような状態を糖尿病と言うのです。
複数の遺伝因子に過食や肥満などの環境因子が加わって発病すると考えられるインスリン非依存型(2型)糖尿病は、自覚症状のないまま糖尿病性網膜炎、白内障、多発性神経炎、糖尿病性腎炎、動脈硬化など多くの血管や神経の合併症を引き起こすので、早期発見が第一です。糖尿病ばかりでなく、膵臓の病気は、なかなか発見されにくいものです。その理由として、膵臓の位置が胃の後ろ側の奥深い所にあり、X線などで膵臓の状態を調べるのが他の臓器ほど容易でないこと、また膵臓病に特有の症状が少ないことが言われます。