尿に混じるタンパク質の量は、ちょうど糖尿病の検査で尿糖を調べるのと同じように、腎臓病を知る上で最初の手がかりになります。血液中の夕ンパク質の一部は腎臓の糸球体で原尿の中に漏れ出てきますが、その後尿細管で再吸収されます。このため腎機能が正常な場合には、尿タンパクは1dL中に5~10mg程度含まれるにすぎません。
ところが、糸球体腎炎やネフローゼ症候群などの腎臓病では、腎臓のフィルターの目が荒くなるため、タンパク質が大量に尿中に漏れ出てきます。また腎臓には異常がなくても、尿路結石や膀胱炎など尿の通り道の異常で尿タンパクが出ることもあります。
検査は、正常値以上のタンパク質が漏れ出ていないかどうかだけをみる定性検査と、定性検査で陽性(+)と出た場合に、どのくらいの量が出ているかを調べる定量検査とがあります。尿タンパクは、激しい運動や熱い風呂、タンパク質を多く含む食事をとった後などや月経の前、ストレス状態の時などにも出ることがあります。従って1回の定性検査で陽性と出ても、腎臓病とは限りません。
正常値 定性検査陰性(-)。定量検査10mg/dL以下、20~120mg/日。
陽性の場合糸球体腎炎、ネフローゼ症候群。尿路結石。