全ての検査の土台になる血液一般検査は大きく2種類に分けることができます。一つは、血液の液体成分である血清を調べるもの、もう一つは、赤血球、白血球、血小板などの血球成分を調べるものです。

血液を試験管に入れておくと、底のほうに赤い固まりが沈殿し、上のほうは澄んできます。この上澄み液が血清で、タンパク質やブドウ糖、様々な酵素などを含んでいます。血清を調べる検査は、例えば特定の酵素の含有量を測ることにより、体の特定の臓器に障害がないかどうかを知るために行われます。

一方、血球成分を調べる検査は、主に血液そのものの異常を知るために行われます。

血液は体内で様々な働きをしていますが、なかでも血球の働きは重要です。赤血球は全身の組織の隅々にまで酸素を運んでいます。白血球は、血液中に侵入した病原菌を食べ、免疫機能を司っています。血小板は、血管壁が傷を負ったときに凝集し、出血をくい止めます。これらの血球成分の検査は「血算」とも呼ばれ、あらゆる検査と並行して行われる基本的検査です。