肥満の原因のほとんどは、食べ過ぎと運動不足によるものです。毎日の食事から得るエネルギーと消費するエネルギーのバランスが崩れて常にエネルギー過剰の生活が続くと、太ってしまうわけです。

肥満を判定する目安として、統計的に分析して作られた「BMI (ボディーマスインデックス)指数」が広く用いられています。これは体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます。

BMIは22が標準で、最も病気にかかりにくい数値とされています。18.5以下は「痩せ」、25を超えると「肥満」と判定されます。肥満=病気ということでありません。しかし、BMIが25を超えると、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病にかかりやすくなることが統計的に分かっています。そして、こうした生活習慣病はいずれも動脈硬化を招く要因となり、心臓病や脳卒中などにつながって行きます。また、変形性関節症や脂肪肝、乳がん、子宮がん、前立腺がん、大腸がんなども、肥満の人に多いことが知られています。

一方、BMIなどで肥満と判定されなくても、体脂肪率が高くて肥満というタイプもあります。これが「隠れ肥満」で、体重は違わないのにウェストのサイズが大きくなってきたという人は要注意です。いずれにしても、脂肪が過剩についているという状態が、体にとっては危険信号。とくに高血圧や高脂血症などの場合は、最初はほとんど自覚症状がなく進行しますから、自分で体が少し重くなったなあと感じたら、減量に努めるようにして下さい。