頭痛は、日常的によく経験する症状です。疲れ気味の時や二日酔いの時などでも起こりますし、脳腫瘍といった重大な病気の時にも起こります。頭痛の原因とメカニズムをすべて説明するのは、まさに頭が痛くなるほど大変なことなのですが、その代表的なものは、一番多いのが、肩凝りや背中の筋肉などの張りをともなって起こる緊張性頭痛です。これは発作的に起こるのではなく、もやもやとした頭の痛みや頭重感(頭が何となく重く感じる状態)が何時までも続くのが特徴です。
頭の周囲の筋肉や首、背中などが緊張して血行が悪くなり、頭への血流が不足してくるために、こうした痛みがずっと続いてしまうわけです。また、精神的ストレスが筋肉の緊張を引き起こし、それが頭痛につながることもあります。このような頭痛は、放っておいても取り立てて心配はいりません。筋肉のこわばりが自分でもわかるような時は、少しぬるめのお湯にゆったりとつかり、体を温めると筋肉が次第にほぐれて楽になるものです。
また、取り敢えず痛みを取り去りたい時には、市販の鎮痛剤を服用してもよいでしょう。しかし、それでも痛みがとれないときは、病気が潜んでいることが考えられますので内科で診察を受けるようにして下さい。
更に、目や鼻、耳、歯、首などに炎症が起こると頭痛を感じますし、顔の知覚を司る神経である三叉神経などに障害があっても、頭が痛くなってしまうことがあります。頭の痛みとともに、こうした部位に異常を感じたら、それぞれの診療科で診断を受ける必要があるでしょう。頭痛は、様々な病気を知らせてくれるシグナルの一つであります。