「眼のかすみは」はだれにでも起こります。例えば朝起きたときに眼がかすんで物が見えにくい、風邪をひいたときなどに眼の前がぼやっとして物が見えにくい、といった現象です。こうした現象は時間が経てば自然に解消しますので、先ず問題がないといってよいでしょう。しかし眼がかすむという状態が長時間持続する、あるいは何度も繰り返し起こるという時には、何らかの病気が考えられます。
近くの物がかすんで見えにくいのは老眼ですが、遠近に関係なく、すりガラスを通したように物がかすんで見える、明るいとまぶしくて物が見えないなどの症状が出た時には白内障の疑いがあります。レンズの働きをする水晶体は本来透明で、透き通っていますが、何らかの原因でこれが濁ってしまうのが白内障です。この中で一番多いのが、加齢に伴って起こる老人性白内障で、水晶体の端のほうから濁りが出始め、次第に中心部へと広がって行きます。この進行はゆっくりで、最初のうちは、自覚症状は現れませんが、症状が進んでくると視力が低下し、日常生活に支障をきたすようになります。手術を要する場合もあります。