白内障と名前が似ていて混同されやすい病気に、緑内障があります。しかしこの二つは全く性格の違った眼の病気です。
正常な眼球には、適度な「張り」が必要です。そのため眼球は、水晶体の周囲にある毛様体から分泌される房水という透明な液によって、常に一定の眼圧に保たれています。しかし、色々な原因で房水の流れが悪くなると、眼圧が上がってしまいます。その結果、視神経が圧迫されて眼のかすみなどの視覚障害が起こってくるのが、緑内障です。
これによって引き起こされる症状は様々です。例えば、激しい眼の痛み、頭痛、吐き気や嘔吐などの発作的症状が現れます。こうしたことから、腹部の病気と間違われることがあります。しかし、そのような時に眼の状態をよく観察すると、白眼の充血、瞳孔の拡散、虹彩のうっ血などの症状が見られます。
ただし、このような発作にいたる前に、電灯などを見たとき、その回りに虹のような輪がかかって見える症状が現れます。眼の疲れからくる症状だと思って見過ごされることが多いのですが、自分で勝手な判断を下すのは危険です。このような症状が出たら、一度、眼科で診察を受けることです。