体を動かせばドキドキと心拍数が上がりますし、感情の起伏に伴って動悸が激しくなることもあります。これは、日常生活の中で普通に起こることで、何ら心配するようなことではありません。ところが、このような、心臓のちょっとした変化にも常に不安を抱き、「自分は心臓に病気があるのではないか」という疑いを捨て切れないのが、心臓神経症です。心臓の機能そのものには異常がないにも関わらず、胸痛や動悸、息切れなど、まるで本物の心臓病のような症状が出るのがこの病気の特徴と言えます。このほか、胸の圧迫感やめまいなどが起こることがあります。
狭心症の胸痛は、胸全体に広がって締め付けられるような痛みであるのに対して、心臓神経症の場合は、「心臓が痛い」と訴えるケースが多く見られます。痛みの持続時間も、狭心症の場合は5~10分程度ですが、心臓神経症の場合は、数秒から丸一日継続するものまで、まちまちです。最近、このような症状を訴える人が増加しています。この引き金となっているのが、ストレスや過労、不安感、不眠などで、自律神経失調症のような症状も同時に出ます。治療は先ず心臓専門医の検査を受け、心臓機能にどこも興常がないことを確認し本人が納得できれば治療は終了しますが、症状が続くようなら心療内科で受診を。