気管や気管支からは、通常、1日に100ccくらいの粘液が分泌され、気管や気管支を乾燥から守るとともに、外から入って来た異物を体の外に排出する働きをしています。外から入って来た異物や気道内の古くなった細胞などをこの粘膜に包み込み、外に排出しやすくしたのが痰です。気管や気管支の周辺に炎症が起こると、分泌物が増えるために、痰も多くなってきます。
痰がからまって、ゴホンゴホンという咳が出る時は、先ず風邪があげられます。更に、しつこい咳が長期間続くような時、慢性気管支炎が発熱をともなう、肺炎が血の混じった痰が出るような時は、気管支拡張症や肺ガンなどがそれぞれ疑われます。
病気によっては早急に治療が必要なものがありますから、早めに内科を受診する事です。痰の色を見れば、病気の種類がだいたい分かります。痰が黄色いのは、細菌感染を起こしてそこに白血球が集まっている場合で、慢性気管支炎や肺炎、気管支拡張症などが考えられます。無色透明でさらっとしている時は、多くの場合は風邪だと考えられます。
無色透明でも粘り気のある時は、気管支ゼンソクを考えます。ゼイゼイという、あえぐような音をともない、呼吸が苦しくなります。痰に血が混じって赤くなっている時は、肺ガン、肺炎、肺結核など、重い病気の疑いがあります。血痰が出たら早めに内科の受診を。