食べ過ぎ、飲み過ぎの翌日に、胸焼けしたり、胃がもたれたりということは、健康な人でもよく経験します。これは時間が経過すれば、自然に治まっていくので、あまり心配する必要はありません。ところが、こうした不快な症状がいつまでも続く時は、胃炎の疑いがあります。一口に胃炎と言っても、急性のものと慢性があります。急性胃炎は、強いストレスを受けた時や刺激の強い薬を飲んだ時などに、胃の粘膜に炎症が起こった状態です。腹痛、胸焼け、嘔吐などの症状が出ますが、原因がはっきりしているので、これを取り除いて適切な治療を行えば、短期間で治っていきます。

それに対して慢性胃炎は、胃の粘膜の異常が慢性的に続いている状態で、症状の現れ方には、次のような色々な夕イプがあります。

何時もおなかが張っているような膨満感があり、ものを食べるとむかつきや吐き気を感じる場合は、胃そのものの運動機能が低下していることが考えられます。食べた物が消化されずにいつまでも胃の中に止まっていますから、胃が重く、もたれるわけです。慢性胃炎の半分以上がこのタイプです。胸焼けや、酸っぱい物が込み上げてくるような場合は胃から食道への逆流を防ぐ力が低下して、胃の内容物や胃酸が食道のほうへ上がっていくためと考えられます。これは胃酸の過剰分泌によっても起こります。さらに空気を飲み込みやすくゲップの出やすい夕イプ、軽いうつ病が胃の働きに影響を与えたタイプもあります。

受診の時には症状を正確に伝えること。慢性胃炎は、特に不快な症状がなければ、すぐに治療する必要はありません。内科や消化器科で診察を受ける時には、症状の出方によって処方する薬が違ってきますので、診察を受ける時、自分は主にどのような症状が出ているのか、はっきりと伝えるようにして下さい。