便秘をがまんするのは禁物で、毎日の快便は健康のバロメーターです。しかし排便の回数が極端に少ない、排便できたとしてもどうもすっきりしない、という便秘の症状(常習性便秘)で悩む人もたくさんいます。口から食道を通りに入った食べ物は、体内に吸収される一歩手前まで分解され、十二指腸から小腸へと送られて行きます。長さ3mにも及ぶ小腸では、消化液によってさらに消化され、栄養素とともに水分も吸収されて行きます。ここで残ったカスが次の大腸に送られ、ここで一定の水分が吸収されて、最終的にほどよい硬さの便になって行きます。これが直腸に達するとそこにあるセンサーが働いてその情報が延髄や大脳に伝えられ、便意を催すようになります。そして反射的に、副交感神経が直腸の蠕動を高め、肛門を閉じている内肛門括約筋をゆるめます。と同時に、大脳の指令で外肛門括約筋をゆるめて、腹圧をかけることで便は排出さます。体の排便情報を無視すると、排便したい時に直腸や肛門括約筋が働きません。
この結果、いくらいきんでも便が出てくれなくなってしまいます。これが便秘の原因として一番多く見られるものです。これを解消するには、朝のタイムスケジュールに少しゆりをもたせて、排便の習慣をつけることが第一のポイントになります。また、毎朝、冷たい牛乳や水を飲んで腸を刺激するのも効果的です。他に思い当たる病気などがなくて便秘気味の人は、自分の生活習慣を改善するだけで便秘が治ることがけっこうあるものです。