例えば消化管から出血していても、ほんのわずかな量であれば、便も肉眼で見ただけでは異常にほとんど気づきません。しかし、微量な出血が長期に渡って続けば、やがては貧血を起こすようになります。

 単なる貧血だと思っていたのが、消化管からの出血が原因だったというケースも少なくないのです。例えば、小腸から出血する病気は胃や大腸に比べるとはるかに少ないのですが、貧血という症状からたどっていって、小腸潰瘍などが見つかる場合があります。

また貧血かクローン病という病気が見つかることがあります。これは小腸や大腸にとびとびに炎症を起こすために、大量に出血するケースはあまり多くありません。若年者に多く見られる病気で、腹痛、下痢、消化不良による体重の減少などを伴います。

女性の場合は、貧血と言えば生理のためだと簡単に考えられがちですが、貧血気味の時は、こうした病気の可能性も考える必要があるでしょう。

多量な消化管出血は、すぐに手当をしなければ命取りになりかねません。このような事態にならないためにも、便に血が混じっているのが認められたら、すぐに消化器科で診断を受けるようにして下さい。