アルツハイマー病初期の主症状は、記憶障害である。また意欲の低下、物事の整理整頓 が困難となり、時間に関する見当識障害が診られる。中期には、記憶の保持が短くなり、 薬を飲んだことを忘れたり、同じ物を何回も買って来るようになる。後期には、自分の名前を忘れたり、トイレが分からなくなったり、部屋に放尿するようになる。また失禁状態に陥る。

脳血管性痴呆初期の主症状は、物忘れで始まることが多い。深部腱反射の亢進、足底反射、仮性球マヒ、歩行異常等の局所神経徴候を伴いやすい。一般に、記憶障害はかなりあっても、判断力は保持されており、人格の崩壊は認められない。