肝臓の処理能力を超えたアルコールは、血液に人って、全身に送られる。もちろん脳にも送られる。脳には、異物の侵入を防ぐ防御システムがあるが、残念ながらアルコールを始めとする脂溶性の物質はフリーパスになる。脳内ではアルコール脱水素酵素が分解を急ぐものの、飲酒のスピードに追いつけない場合は、アルコールがニューロンの膜を溶かし、シナプスでの情報のやりとりをグチャクチャにしてしまう。これが「酔い」の状態である。
酔いは大脳からじわじわ効いてきて、小脳、脳幹にも作用を及ぼすことがある。脳内でも、アルコールを分解しようとするが、さらに飲食を続けると、血中アルコール濃度(0.03%)では、活発になって、はしゃぐようになる。さらに飲み続けると、血中濃度(0.10%)で、ろれつが回らなくなって、足取りも不安定になる。尚に飲み続けると、血中濃度(0.30%)意識朦朧となって、抑止がなくなってしまう。