DNAの二重らせん状のひもが、まきつき、折りたたまれている塊。クロモソームともいう。塩基性色素で染めることができるので、この名がある。動物の体細胞中には少数の例外を除いて、ある決まった偶数個数の染色体がある。それぞれ父親と母親から受け継いだ染色体が対になっているのである。このようにちょうど対になる染色体を持っている生物を二倍体という。植物では三個の染色体が対をなしている三倍体やさらに四倍体などもある。植物でも例外的に雌雄の染色体数が異なったり、三倍体以外でも偶数個でない場合ある。
ヒトの染色体数は23対で計46、ネコの染色体数は38、イヌは78、メダカは48である。遺伝実験に利用されるショウジョウバエは8と少ない。イネは24、アサガオは30である。これからも分かるように染色体数の大小は、その生物が下等であるか高等であるかに無関係である。ヒトの染色体数は46だが、数が数百に達する生物はたくさんある。
ヒトの染色体は23対だが、その内の一対は性染色体である。男性はX染色体とY染色体のXY型で厳密には対をなしていないが、女性はXX型と対をなしている。Y染色体が男性を特徴づける染色体といえる。性染色体以外の染色体を常染色体ともいい、ヒ卜では22対である。常染色体は大きい順に第一染色体、第二染色体などと番号がつけられて分類されている。