食物は胃・十二指腸から腸の中へと進み、S字結腸にいったん貯留される。小腸では、栄養分が吸収され、大腸では、水とカリウム、ナトリウムなどの電解質が主に吸収される。「食物」はこの時には名が変わり「腸内容物」から、さらに「便」となる。食物の体内滞留時間は、繊維が多いほど短く約42時間、肉食は繊維が少なくて滞留時間は約倍の83時間、混合食では44時間であり。肉食では3日間以上体内にあることになる。高繊維食では34時間約1日半だが、便量は逆となる傾向がある。便量は、高繊維食が多く、健康にも良い。日本食は高繊維食と言える。
先に腸内ガスは酸欠状態であり、臭い物質も嫌気的条件で生成すると述べたが、今度はガス(おなら)について言うと、小腸ガスは空気と比べ、炭酸ガスが増加し、酸素がほとんど無くなる。腸内ガスは、もとは食物に溶け込んだ空気からくる。その空気が消化管の中で、室素ガス・炭酸ガス・水素・メタン・酸素等の組成に変わり、細菌が嫌気的条件で起こす反応の特徴である水素やメタンが多くなり、これを集めて火をづければ、燃えることがある。悪臭成分は量が少ないが硫化水素・アンモニア・インドール・スカトール等。